ソフトに死んでいる 兼業主婦は 発光体

あえて抵抗せず子育て中。最近は自己満足な絵をかいています。

新米母とバースプランと胎盤(出産記その11)

初めて見る息子は頭がとんがっていた。

そのとんがり様は、まさにドロップ型、リアルぴちょんくんだった。

 

「こ、この頭は大丈夫なんですか!!」

 

と言ってる間にお腹の中がきゅーっとなる気がしてブリっと後産が完了してた。

院長が股を縫ってるぽい感覚がする。引っ張られていて、ほんと分娩台に乗ってからアソコがどうなってるのか何されてるのか全くわかんない。わかんない方がいいのか。

 

院長が金属の容器に入った胎盤を見せてくれた。

 

そうだ。バースプラン!

 

妊娠後期に入った頃、病院からバースプランを提出してくださいって言われていて、特にアレしたいコレはしないで欲しいって希望が浮かばず、提出せずにいたら看護師さんから「本当に何も無いんですか?」って言われて「例えばどんな希望があるんですか?」と聞き返したんだけど、あまり詳しく教えてくれなくて若干濁された。

あー、なんかあとあと出産時の文句言われたりこれして欲しかったとかアレして欲しくなかった!とか問題になったりするのかな。その為にも何かしら残しておかなきゃいけないのか。と感じた。

しかし私は医療的な知識もない、出産経験もないし。出産に対して不安はあるけど、ただ漠然とした不安なんだよな。と思って

 

「母子ともに安全にお産が済むようにしてくださればいいです。先生や助産師さんにお任せします。あとできれば胎盤とか出たものを見たい」

 

って書類に書いたんだった。

 

院長が私に胎盤を見せながら、ここがここと繋がってて…とか説明してくれたけど全く覚えてない。

ただ胎盤は思ったより大きく、美味しくなさそうだった。当たり前だけどグロテスクだなあ。人の中身だなあって思ってた。臍の緒も見たけど、ああ、ホルモン食べたいなあって。

でもこれが息子と私を約10ヶ月繋いでくれていたんだー。とほっこりもした。

 

「頭は徐々に丸くなりますからねー」

 

と息子の後処置をしながら助産師さんが言うと、別の助産師さんが

「院長まだここにいるんですか?!はやく◯◯さんのとこ行ってください!」

と若干院長は叱られ去って行った。

 

「ちょっと別の分娩でバタついてるからね、そのまま横になってもらっていてもいいかな?」

と、身長や体重を測って白い新生児服着せられた息子は後処置する台に寝かされ

私は分娩台で半裸のまま

しばらく放置された。

 

隣の分娩室には切迫早産で救急車で運ばれてきた人がいて、慌ただしい音が聞こえてた。

私のいる分娩室が多分一番広くて道具が色々と置いてあるからか、何回か助産師さんがきて「ごめんね、もうちょっと待ってね!」と去って行った。

 

はじめのうちは、大仕事を終えた達成感とそばにいる息子がバタバタと動いているのを見てウルウルしていたけど

あまりの放置っぷりに不安になってた。

息子もめっちゃ泣いてるし。